日本国憲法第22条では職業選択の自由が保障されています。

労働法においても複業を禁止する明確な規定は存在せず、つまり複業するかどうかは完全に個人の自由ということができます。

会社で複業・副業・兼業を禁止する就業規則がありますが、法的な視点で見るとおかしなことになっているのですね。

会社が複業を禁止する理由

会社が従業員の複業・副業・兼業を禁止する理由は主に次の内容が言われています。

  1. 職務遂行に支障が生じる
  2. 社員が過重労働に陥る
  3. 情報が漏洩する恐れがある
  4. 会社への忠誠心が失われる
  5. 人材が流出する

どれも会社目線で考えると『なるほど』と納得する理由が並んでいますね。

要するに、従業員の複業は会社にとってデメリットが大きいので複業を禁止しているわけです。

逆にいえば、これらの内容に抵触しない複業であれば会社が禁止する理由がなくなることになりますね。

CHECK!

会社が複業を禁止する理由を考えよう

モデル就業規則における複業

労働基準法に基づいて厚生労働省が発表している『モデル就業規則』では、次のケースにおいて会社は労働者の複業を禁止することができると明記されています。

  1. 労務提供上の支障がある場合
  2. 企業秘密が漏洩する場合
  3. 会社の名誉や信用を損なう行為や信頼関係を破壊する行為がある場合
  4. 競業により企業の利益を害する場合

労務提供というのは、労働者が会社に対して提供する労力であったり労働内容だったり、要するに会社のために働きますよという意味です。

1〜4をざっくりまとめると『会社に迷惑をかけたら複業禁止ね』ということですね。

となれば、繰り返しになりますが、やはり会社に迷惑をかけない複業は禁止ではないということになります。

CHECK!

迷惑になる行為は厳禁

複業と裁判

複業を理由に会社から不当な扱い(解雇、降格、減給など)を受けたとして、裁判になるケースがあります。

先にも紹介したように複業を明確に禁止する法律は存在しないため、裁判になったとしてもよほどのことがない限りは労働者側が有利という声を聞きます。

その一方、やはり会社に迷惑をかける行為をしたケースでは会社側が勝利する例もあります。

  1. 副業のために遅刻や欠勤が多くなった
  2. 競合する他社でアルバイトをしていた
  3. 会社固有の技術やノウハウが漏洩していた
  4. 会社の名前や名刺を使っていた
  5. 会社の品位を落とした(風俗関連など)

ここで紹介した例はいずれもわかりやすいものばかり。

複業で会社にマイナス影響が及ぶことをすれば、処分を受けても文句は言えませんね。

しかし一方で、会社の就業規則に複業禁止が明示されているにも関わらず、全く無許可で複業を行なうことは、『無断で二重就職したこと自体が企業秩序を阻害する行為』であり、会社に対する『雇用契約上の信頼関係を破壊する行為と評価されうる』という判例もあるようです。

CHECK!

よほどなことがなければ、複業を理由にした処分は従業員側が有利

合理的に考えてみた

例えば、複業の目的を『収益を得る』こととして考えてみましょう。

会社が従業員の複業を禁止するということは、会社員は複数の収入源を持つことを禁止されたということになりますね。

今の時代、収入源が1つしかないというのは大きなリスクといえます。

絶対安定と言われた大企業でさえリストラをする昨今、自分の会社が今後どうなるかなんて誰にもわかりません。

また、金融庁が老後夫婦で2,000万円の資産が必要と発表したのは記憶に新しいですが、我々は企業リスクを抱えながら老後のリスクにも同時に備えていく必要があるのです。

ここで会社の運営に目を向けます。

会社にはたくさんの部署が存在し、1つの会社でも異なる業務を行っています。

それはつまり部署同士の連携や相乗効果に加え、あらゆるリスクに備えるための企業ポートフォリオと言い換えることもできます。

会社は将来のリスクのためにポートフォリオを分散させて備えているにも関わらず、そこで働く従業員自身のリスク管理(=すなわち複数の働き方)を禁止するのは筋が通らないと思いませんか?

CHECK!

リスク分散のための複業と考える

複業を禁止する法律は存在しない

まとめ

  • 会社が複業を禁止する理由を考えよう
  • 迷惑になる行為は厳禁
  • よほどなことがなければ、複業を理由にした処分は従業員側が有利
  • リスク分散のための複業と考える

複業を明確に禁止する法律は存在しません。

会社に迷惑になる行為は言語道断ですが、摂理を守り、自己管理を徹底した複業であれば、会社が否定できる理由はないと考えます。

しっかりした理念と信念を持ってさえいれば、会社と対等な立場で話し合いができるのでは?と考えるのです。

Twitterでフォローしよう